探偵の仕事
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探偵の張り込みとは?テクニックや見破る方法も紹介

探偵の張り込みとは?テクニックや見破る方法も紹介

探偵の張り込みとは?

探偵_張り込みとは
張り込みとは、探偵が不倫の証拠を押さえたり、調査対象者の素行調査をしたりするために行う調査方法です。

自宅や勤務先のほか、ホテルなどターゲットが立ち寄りそうな場所に張り込んで、行動を監視することで決定的な瞬間を撮影し、依頼者に証拠として提出します。

探偵の張り込みの種類

探偵_張り込みの種類

立ち張り(徒歩監視)

立ち張りとは、公園やスーパー、路地などで車を使わずに徒歩で張り込む方法で、「徒歩監視」とも言います。

多くの人の目に留まるため、不審がられる行動や奇抜な服装は避けるのが鉄則です。

また、不自然さがないように「誰かと待ち合わせをしているフリをする」「道に迷って目的地を探す様子であたりを見回す」といった態度を心がけます。

車での張り込み(車両監視)

停車した車内から、調査対象者の様子を監視する方法です。自宅に不倫相手が出入りする瞬間を撮影したり、対象者がいつ、どんな行動をするのかを見張ったりします。

交通量が多い場所や駐停車する車が多い通りでは、車両監視もそれほど不自然さはありません。

しかし、住宅街や交通量が少ない場所では、怪しまれないようにわざと助手席側に座って運転手を待つフリをします。

また、車内から撮影する場合は、目立たないように窓ガラスにフィルムを貼った後部座席から行うことが多いです。

点張り

「点張り」は調査対象者が通りそうな場所を何ヶ所か特定し、そこで探偵が待機して張り込む方法のことです。

例えば、大きなビルや商業施設のように何ヶ所かの出入り口がある場合は、調査対象者がどこから出るのかわかりません。

監視の目をすり抜けて逃げられるのを防ぐために、各出入り口や通路、道路の角などに探偵が待機します。

なお、「点張り」は相手の動きを把握する必要があるため、探偵同士の連携が重要です。

探偵の張り込み調査で使われる道具

探偵_張り込み道具

高性能カメラ

高性能カメラはラブホテルに出入りする瞬間などの、不貞行為の決定的瞬間を収めるために使います。

画質が低いカメラだと顔が鮮明に映らず証拠能力が足りない場合があるので、探偵はプロのカメラマンが使うような非常に高性能なカメラを使用します。

ただし、大きな機材は重量があるため、徒歩での移動を伴う張り込みには不向きです。

その場合は小型の高性能カメラを使用することもあります。

高性能録音機材

カフェやレストランなどでの会話を録音するために高性能の録音機材を使用します。

少し離れた席からでも録音できるように、探偵は小型のICレコーダーの中でも特に録音機能に優れているものを選んでいます。

また、相手の行動経路や降車駅の記録などを手帳にメモできないときは、手持ちのスマホや簡易のICレコーダーに自分の声で録音メモを残すこともあります。

車両

探偵が張り込みに使用する車両は、目立たない一般的な車種を選んでいます。高級車や派手な色やデザインのものは使用しません。

また、使用目的や状況に応じて次のように使い分けることもあります。

車の特徴 使用する目的や状況
小型の車両 狭い路地を追跡する場合
ただし、軽自動車はスピードが出ないので対象者を見失う可能性があるので、状況によっては使用しない
ミニバン
ワゴンカー
複数の探偵や多くの機材を積んで移動する場合
スモークフィルムを装着 車内から撮影する場合、後部座席の窓やリアガラスから車内が見えないようにして、張り込みや撮影に気づかれなくするため

変装グッズ

自分が探偵であると見破られないために変装をします。特に少人数で張り込む場合は、一人で何役もこなす必要があります。

そこで、見た目の印象を変えるために、伊達メガネやマスクなどを変装グッズとして使用します。

また、周囲の風景になじむような工夫も必要です。

例えば不倫旅行の張り込みなら観光客のようなカジュアルな服装を、ビジネス街ならスーツなどを着用します。

探偵が張り込みで行っているテクニック

探偵_下調べ

事前に張り込み場所の周辺を調査する

張り込み場所を事前に調査することは、とても重要です。

土地勘のない場所での張り込みは、相手を見失う可能性があります。

そのため、対象者がどの道を通って移動するか、何パターンか考えておく必要があるのです。ストリートビューで周辺の景色を確認することもあります。

また、張り込み中に周囲の人に「何をしているの?」と聞かれた時の回答も考えておきます。

例えば、住宅街なら「近々このあたりで工事をするので、下見に来ました」、交通量の多い道路沿いなら「交通量の調査に来ました」などを考えておき、それにふさわしい服装で張り込むようにします。

複数の探偵で出入り口をカバーする

上でご説明した「点張り」で複数の出入り口に探偵を配置して、調査対象者を見失わないようにします。

特に大きな商業施設は出入り口が複数あり、施設によっては地下道につながっているケースもあります。

そこで、相手が通る可能性がある場所に、確実に探偵を配置することが重要です。

業者や作業員のフリをして溶け込む

環境に溶け込み、対象者にも周辺の人にも怪しまれないように、建築業者や道路工事の作業員のフリをしたり、アンケート調査員を装ったりします。

事前にどんな人物なら怪しくないかを調査して、それにふさわしい服装を選ぶことも重要です。

怪しまれないよう変装する

どんな場所で張り込みをする場合でも、怪しまれないことが重要です。

若者が多く利用するカフェでの張り込みなら若く見えるファッションや若者がよく使うアイテムを準備する、年配の観光客が多い場所ならそれ相応の年齢の探偵が張り込むといった工夫が求められます。

交通系ICに常に十分な金額をチャージしておく

鉄道_ICカード
張り込み先から対象者を尾行する際は、急に電車に乗ることがあります。

現金で切符を購入していると、その間に対象者を見失う可能性があるため交通系ICカードは必携です。

鉄道会社によって使えるICカードが異なる場合があるため、複数種類のカードを準備し、常にチャージしておきます。

太陽光を背にする

太陽を背にして張り込む理由は、「逆行を利用すること」と「太陽のまぶしさで対象者を見失わないため」です。

太陽を背にして立つと相手が自分を見る際に逆行になり、顔がはっきり見えません。自分の顔がバレないように、あえて太陽を背にするように意識します。

一方、相手が太陽を背に立つと、まぶしくて相手の表情がはっきり見えません。張り込みがバレたのかどうか、困った顔をしているのかなどがわからず、そのまま逃げられるリスクがあります。

夜間の街灯やネオンライトも同様で、光を背にするように心がけます。

自分で張り込みはできる?

自分で張り込み_失敗

素人の張り込みはバレバレなので無理

まず調査対象者が自分の身内の場合、すでに顔がバレています。張り込みをするにしても、尾行するにしても気づかれずに行うのは困難です。

逆に対象者が自分のことを知らない場合でも、ずっと張り込んでいると相手はなんとなく視線や気配を感じるものです。

張り込みや尾行に気づかれると、それだけで警戒されてしまいます。

また、周囲の人にも不審者として怪しまれる可能性があるため、現実的にはかなり難しくなります。

体力もかなり使うので厳しい

張り込みは相手がいつ動き出すのかわからない中で、粘り強く待たなければなりません。暑さ・寒さや空腹に耐え、トイレも我慢する必要があります。

意外と体力を使うので、素人には厳しいです。

また、よほど時間がある人でないと、張り込みに時間を割くことはできないでしょう。

現場を押さえても素人では証拠に残せない

張り込みは証拠を押さえないと意味がありません。

例えば自分で浮気調査をした場合、「浮気現場を目撃した」と言っても、それが本当かどうか写真や動画など証明できる証拠が必要になります。

特に浮気で訴訟などになった場合、有効となる証拠には相手の顔や姿がはっきりわかる鮮明な画像が求められます。

高度な撮影機材と技術が必要になるため、自分一人では難しいと言えるでしょう。

現場を目撃すると多大な精神的苦痛を味わう

張り込みに成功して現場を目撃しても、それが結果的に自分を苦しめるということもあります。

例えば、なんとなく不倫を疑ってはいても、心のどこかで「まさか、そんなはずはない」という思いを持つ人が多いものです。

しかし、現実にラブホテルから出てくる瞬間や二人が楽しそうに腕を組んでいる瞬間を目撃すると精神的に大きなダメージを受けます。

人によっては、思わず浮気現場に乗り込んでしまい騒動を起こすというケースもあるほどです。

そのため、自分で張り込みをするのはおすすめできません。

探偵の張り込み調査の料金(費用)目安

探偵_費用

調査時間と探偵の人数で計算

張り込みにかかる費用は、調査する時間と探偵の人数によって計算するのが一般的です。

金額は各探偵事務所によって異なりますが、日本探偵業協会では探偵1人、1時間あたり11,000円(税込)を目安(一都三県の場合)にしているので参考にするといいでしょう。

中には時間制でなく、調査料金を「定額○○万円」「成功報酬で○○万円」と設定している探偵事務所もあります。

実費が必要な場合

なお、張り込み調査時にタクシーや新幹線、飛行機、船などを使用することになり、高額な交通費が発生することがあります。

その場合は実費として別途、費用を請求されます。

他にもホテルの宿泊代、高級クラブ代、レジャー施設などへの入場料、役所での書類取得費用などが必要になる場合もあるので、事前に確認しましょう。

探偵の張り込みを自分で見破る方法

探偵_張り込み_見破る

長時間同じ場所に見慣れない車が停車している、運転席には誰も乗っていないが助手席や後部座席にだけ人が乗っているという場合は張り込みの可能性があります。

また、探偵は、郵便受けや玄関のまわりに盗聴器を仕掛けることがあります。見慣れない物があれば、探偵が仕掛けたと考えられるでしょう。

探偵の張り込みまとめ

探偵は証拠を押さえるために、さまざまな方法で張り込みをしています。

例えば、人混みの多い場所では立ち張りで、住宅街では車両監視、出入り口が多い商業施設などでは各所に探偵を入りする点張りといった手法で行います。

また、張り込み場所で怪しまれないように作業員に扮したり、伊達メガネなどの変装グッズを使ったりすることがあります。

探偵の張り込みは高度な技術や専門の機材が必要です。また、相手に顔を知られないことも重要なので、自分で張り込みをすることはおすすめできません。

調査が必要な場合は、ぜひ探偵に相談してください。

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